MacDTV.News |
2005.08.07 Final Cut Proベンチ |
MacDTV.forum(掲示板&メーリングリスト)の[MacDTV:18446] FCP5 のレンダリング速度なるご質問にお答えして、こんなベンチマークを取ってみました。
比較項目
条件A:Final Cut Pro 4.5 + Mac OS X 10.3.9
条件B:Final Cut Pro 5.0.2 + Mac OS X 10.3.9
条件C:Final Cut Pro 5.0.2 + Mac OS X 10.4.2
条件Aと条件Bとの比較で、同じMac OS X 10.3.9上で見たときの、Final Cut Pro 4.5とFinal Cut Pro 5の比較
条件Bと条件Cとの比較で、同じFinal Cut Pro 5.0.2を、Mac OS X 10.3.9上、Mac OS X 10.4.2上で稼働させた場合の比較ができます。
環境
PowerMac G5 2GHz Dual, 2.5GB RAM
いずれも、QuickTime 7.0.1
テスト素材
素材ファイルは3条件で共通で使用。PowerMac G5純正 SATA HDD上に置いてあります。
「1ビデオ(ディゾルブ入り)+3アウトラインテキスト(モーション付き)」の40秒間の[DV-NTSC]プロジェクト
を、Final Cut Pro 4.5でを作成し、まず、テストを実施しました。
次に、Final Cut Pro 5でそのプロジェクトを読み込むと、
アップデートされます。その際、モーション関連については、[品質]を選択できるようになっており、
[最速(リニア)]が、Final Cut Pro 4.5に相当します。Final Cut Pro 5では、これよりもさらに高品質な[通常]と[最高]という設定も新設されましたので、今回のテストでは、[最速(リニア)]と[最高]の両方についても実施しました。
結果
条件 | 条件A | 条件B | 条件C |
Final
Cut Pro 4.5 Mac OS X 10.3.9 |
Final
Cut Pro 5.0.2 Mac OS X 10.3.9 |
Final
Cut Pro 5.0.2 Mac OS X 10.4.2 |
|
最速(リニア) | 00 '50" 57 |
00' 48" 61 | 00' 54" 16 |
最高 | 01'36" 39 | 01' 38" 01 |
なお、いずれの条件でも、CPU利用率は約180%に達しており、CPU資源をフル活用するほど厳しい、それ故差があるならばはっきりと見えるはず、の「良いテスト条件」といえます。
CPU利用率が低いようなテストでは、なんらかの「待ち」が発生してしまっている(例えば、HDDが遅いためファイル読み込みがボトルネック)ことが考えられます。それはそれで、ひとつの結果ではありますが、考察するには注意が必要になります。
コメント
条件Aと条件Bとの比較で、同じMac
OS X 10.3.9上で比べたときの、Final Cut Pro 4.5とFinal Cut Pro 5の比較ができますが、両者とも差がありません。また、条件Bと条件Cとの比較で、同じFinal
Cut Pro 5.0.2を、Mac OS X 10.3.9上、Mac OS X 10.4.2上で稼働させた場合の比較ができますが、こちらも差がありません。
ということで、このテスト(DV-NTSC。モーション系)に限っていうと、Final
Cut Pro 5でレンダリング速度が向上したとはとても思えませんし、Mac OS X 10.4 Tiger(の、例えばCore Image、Core Video)による高速化なんてことも伺えません。
では、他の効果ではレンダリング速度向上が期待できるか??...といえば、なんともいえないところですが、今回テストしてみて思ったことは、プロジェクトアップデートの際の[品質]設定をみても、
Final Cut Pro 5の設計思想として、高速化を図るよりも高品質化を目指している?!
ように思えますので、あんまり期待できない...の...かな?。
なお、Mac OS X 10.4 Tigerの、Core Image、Core Videoは、「GPUを使用し、描画をアクセラレーション」するものです、レンダリング(CPUによるエフェクト演算)を高速化することとは(直接的な)関係はないものと思われます。
似たような事情は、RTMacにもいえます。RTMacは、プレビューの描画をハードウェアで高速化するもの。しかし、レンダリングはCPUが行うので、RTMacによりレンダリングの高速化は見られません。
だから、今回のようなFinal Cut Proのレンダリングには効果が見られないのも、さもありなんといったところでしょうか。一方、Motionのように、リアルタイムの描画に対しては、Core Imageが威力を発揮するのでしょう。
MacDTV.com
|
Copyright(C)
Yasushi SATO All Right Reserved.
|